アンビエント・ファインダビリティ

アンビエント・ファインダビリティ ―ウェブ、検索、そしてコミュニケーションをめぐる旅

アンビエント・ファインダビリティ ―ウェブ、検索、そしてコミュニケーションをめぐる旅

アンビエント・ファインダビリティ

欲しい情報をどうすれば獲得しやすいのか、また情報管理の視点から、どのように情報配置し、どういう仕組(情報と情報とのリンク)を作れば効果的なのか、を書いた本ではない。

本の内容は興味深いテーマがあり、面白いんだけど、この本で提示したいことが何なのかうまくつかめないまま読み終えてしまった。
・見つけやすさに関する本。
・情報を探すという視点であらゆる立場から書かれた本。

この本は何の本ですか? と聞かれても明快に答えられないのでずっともやもやする。とはいえ、もやもやのまま放置したら時間のむだなので、得られた知見を次に活かすために、いくつかメモしておこう。

■1
ユーザビリティよりファウンダビリティを優先させること。
使いやすいシステムを構築しても、それが見つけにくかったら使われない。

■2
米国図書館協会は、情報リテラシを「個人が、情報が必要になる時点を認識し、必要な情報のありかを見つけてそれを評価、活用できるようになるために必須とされる、複数の能力を組み合わせたもの」と定義している。

googleで検索すれば、必要な情報のありかを見つけることはできるけど、「情報が必要になる時点を認識し」という部分を意識するのはなかなか難しい。
例)寒くなってきた→服がない→「服を買いに行く必要がある」☆→服を買いに行くための情報を探す→買いに行く。
情報が必要になる地点を認識、寒くなってきた段階で、寒くならないための仕組みの候補を挙げる。その中で寒くならないためには、、暖房器具、衣服、肉体を鍛える、定期的に体を動かす、、、費用対効果が高いと思われるものを検討し、それに対して、情報を入手し評価する。
だけど、必要な情報量が大きくなりすぎると、考えるのにはすごい労力が必要になるので、どこかで思考がストップするはずだ。そうなれば、考えるのが面倒なのであったかい服を買いに行こう、って少ない選択肢の中から情報を選択するようになる。
情報リテラシそのものを評価することはできないんだろうか。うまくこの言葉を活用できないな。

■3
人間の経路探索本能は、生物の進化の力を証明するものだ。人間が生来持っているオリエンテーション(方位決定)やナビゲーション(進路決定)のスキルの多様性と洗練度は、息をのむほどである。

方向性・指針を決めること。目的地までの道順・進路を決めること。ビジネスなどの課題を解決するのに使われる戦略と戦術の枠組みでよく出てきそうな言葉だ。
情報を扱う上で、方向性とその手順を分解し、可視化することができれば迷うことがないだろうなと思う。情報を取り扱う上で、「方向性と道順」の可視化を推し進めていきたい。

■4
イエズス会司祭であり、古生物学者、哲学者であったテイヤール・ド・シャルダンが、1900年代初期に「ノウアスフィア(noosphere)」あるいは「人間の思考の圏域」という概念を広めた。

この言葉の意味がよくわからないけど、思考やアイデアの可視化ができれば面白そうだ。
思考やアイデアを、マインドマップをベースにして立体的な配置ができるようになれば、それがメタファーとして物事を把握したり説明したりする道具になり、他人同士で受け渡し可能になる。
イデアの単位、ミームという外郭を作っておいて、中身を構築させていくようなシステムを作りたい。

「ベネッセのサービスのPVがすごい!!」
http://www.youtube.com/watch?v=B7CnwQPrUVw

上記の動画でもあるように、言葉の印象を置き換えるのに成功すれば、そのミームを感染させるのはたやすい。だけど、言葉の印象を置き換えるのにはどうすればいいのか。情報・思考を可視化させ、都合のいいイメージに置き換え、それをパッケージ化して、一つのメッセージに置き直す。
一つの広告やキャッチフレーズに置き直すってことかな。よくわからないので、一旦保留。

■5
ドキュメントとは、ものを語る物体だ。それは、芸術やビジネス、光学技術、行政、法律、文学、科学の偉大な成果を結実させる。ドキュメントによってわれわれは「巨人の肩の上に立つことができる」――つまり、先人たちの功績にあずかることができる。情報とは、実に、大いなる感動をもたらすものだ。

ドキュメント(他人の努力)は積極的に利用すればいい。
ドキュメントを活用するためには、理解しやすい形で再構築するなどの工夫が必要になる。大抵の場合、自分が理解しやすい形にはなっていないからだ。
この本を含め、オライリーの本は難しいものが多い。咀嚼する練習として、こうやって時々メモしようかな。

■6
人間は、選ばないことを選ぶ。普段の習慣を頼りにする。よく知っているブランドを信用する。同僚の真似をする。しかし、教育や娯楽、あるいは保険や投資など、決めなくてはならない物事はますます勢いを増して増え続ける

何も選ばないことを選ぶってことは、何もしないってことだ。よくあるので、何かしやすい形に落としこむように考えていきたい。